令和6年度税制改正大綱を読む

 こんにちは、税理士の的場です。
 今年も残すところ10日余りですね、あっという間です。
 今回は令和5年12月14日に公表された「令和6年度税制改正大綱」の中から主要な項目を抜粋します。公表されたばかりの情報ですので、スピードと解り易さを重視して解説しております。それでも一週間ほど掛かってしまいました。読みやすさを読みやすさを重視しており、正確性を担保するものではございませんので、予めご了承ください。内容に誤り等がございましたら随時訂正して参ります。悪しからず…
 また、税制改正大綱は税制改正の骨組となるものであり、おおむねこの通りの改正がされる予定ですが、あくまで骨組みである点はご了承ください。

定額減税

所得税:本人・同一生計配偶者・扶養親族一人当たり3万円
・住民税:本人・控除対象配偶者・扶養親族一人当たり1万円
・令和6年6月1日以降の最初の給与にかかる源泉所得税から控除、年末調整における税額から控除
・住民税については、令和6年6月の給与は特別徴収を行わず、特別控除の額を控除した後の金額の1/11ずつを令和6年7月以降徴収
・普通徴収の場合は、第1期の住民税から控除
・給与収入2,000万円超は対象外

扶養控除の縮小

16~18歳の扶養控除縮小:所得税38万円→25万円、住民税33万円→12万円
・児童手当については、所得制限が撤廃され、支給対象も18歳までの高校生年代まで拡大

生命保険料控除の拡充

・23歳未満の扶養親族がいる子育て世帯
新生命保険料控除の一般枠4万円に2万円上乗せ
・所得税法上の保険料控除の合計適用限度額を少なくとも14万円(扶養している子供がいる場合16万円)

ひとり親控除の拡充

・合計所得金額の要件:500万円→1,000万円
ひとり親控除額の引き上げ:所得税35万円→38万円、住民税30万円→33万円

住宅ローン控除の拡充

・40歳未満で配偶者を有する者、又は40歳以上で40歳未満の配偶者を有する者、若しくは19歳未満の扶養親族を有する者
・認定住宅などの新築などを行って令和6年中に居住を開始した場合
・以下の通り、借入限度額を引き上げ
 認定住宅:5,000万円(通常は4,500万円)
 ZEH水準省エネ住宅:4,500万円(通常は3,500万円)
 省エネ基準適合住宅:4,000万円(通常は3,000万円)

賃上げ税制の縮小・拡充

・大企業・中堅企業の原則控除率引き下げ:15%→10%
・教育訓練費、くるみん・えるぼし認定で上乗せ措置
・中小企業向けの措置として、控除限度超過額の5年間の繰り越しが認められ、前期の給与支給額<当期の給与支給額の場合に繰り越し額を控除できる。

交際費から除外される飲食費の引き上げ

・1人当たり5,000円以下→1人当たり10,000万円以下
・令和6年4月1日以後の飲食費から

インボイス経過措置の一部制限

・一つのインボイス発行事業者以外の事業者から仕入れた金額が年間10億円を超える場合、その超えた分については経過措置の適用を受けられなくなる
・令和6年10月1日以後に開始する課税期間から適用される

インボイス不要取引に係る帳簿記載事項の省略

・税込3万円未満の自動販売機、自動サービス機からの商品、サービス購入についてはインボイスは不要
・現行制度では、帳簿に仕入先の住所などの記載が必要
・税制改正により、令和5年10月1日以後の取引にさかのぼって住所などの記載が不要となる

消費税に係る経理方法の明確化

・簡易課税とか2割特例を選択する事業者が、税抜経理を採用した場合、継続適用を要件として税込仕入価額に10/110(軽減税率対象資産の場合は8/108)を乗じた金額を、仮払消費税等をすることを明確化する

高額特定資産の適用範囲の拡大

年間200万円以上の金または白金の地金などを購入した場合にも、高額特定資産の規定を適用する
・高額特定資産の規定とは:本則課税の適用期間中に高額特定資産を取得した場合には、原則として3年間は免税事業者になることと簡易課税制度の適用を受けることが禁止

免税購入された物品の仕入税額控除の制限

・免税店で購入された物品と知りながら行った課税仕入れについては、仕入税額控除の適用が認められない
・令和6年10月1日以後に行う課税仕入れから適用

倒産防止共済の解約から2年は…

倒産防止共済の解約から2年以内は再加入しても損金算入ができなくなる
・令和6年10月1日以後の解約が対象

 今回の税制改正大綱で税理士実務上で一番気を付けたいのは、最後の「倒産防止共済の解約から2年」でしょうね。税制改正大綱は税制改正の骨組となるものであり、おおむねこの通りの改正がされる予定ですが、あくまで骨組みである点はご了承ください。