2024年は「年金改正」year
こんにちは、税理士の的場です。
コロナから完全復活しました。
12日までは外出ができませんでした。
罹患後の2日間は39°まで熱発し、かなり辛かったのですが、3日目以降は徐々に楽になってきました。私わたしの場合、咳もなく、熱発だけでしたので、軽症なのかもしれません。
そういえば、「熱発(ねっぱつ)」という言葉があります。昨年、医療従事者の方との会話で、わたしが発した「ねっぱつ」にとても驚かれておりました。医療従事者以外の方で、そのように発言される方は初めてとのことでした…。
わたしの家族に医療従事者がおり、専門用語が普通になってしまったのでしょうね。
さて、今回は2024年は5年に一度の「年金改正」についてです。
昨年10月25日に開かれた厚生労働省の社会保障審議会年金部会での議論や資料などを見ると、いくつかの論点が浮かび上がってきます。
社会保障審議会年金部会での5論点
①国民年金の加入期間を「60歳まで」から「65歳まで」に延長
②厚生年金の加入期間を「70歳まで」から「75歳まで」に延長
③パート労働者らに厚生年金加入を適用拡大する(106万の壁)
④年金支給開始年齢を「65歳開始」から「70歳開始」に延長
⑤国民年金の受給額を「年80万」から「年60万」に減額
これらが年金改正という名の「年金改悪」だと考えられます。
もう滅茶苦茶ですよね、まさに改悪です。
いくつかそのポイントを紹介しましょう。
支払う年金保険料が増えるのか
国民年金は5年延長で約100万円の負担増です。
20万×5年(65歳-60歳)=100万
国民年金の加入期間を40年(20~60歳)から45年(20~65歳)に延長
現在、40年加入して満額受給だと国民年金受給は年約80万円です。これだけではとても生活できない。
それがさらに実質減額となると余計に苦しいから、5年長く加入させて年金額を年約10万円増やそうという話ですが、結局は支払う保険料が約20万円×5年間で約100万円も増えてしまいます。
しかも満額支給が「80万」から「60万」に減額されることも想定されております。
もう財源も理論が破綻しおります。
65歳という年金受給開始年齢も引き上げられるのか
最終的に75歳受給開始になる可能性があります。
厚生年金の加入期間が「70歳まで」から「75歳まで」に引き上げられるという話は、今のところ関係があるのは70歳を過ぎてもしっかり働き口がある会社の役員クラスくらいでしょうね。
ただ、政府が「歳をとっても働き続ける社会」の到来を前提にしているのは明らかです。
そうなると、60歳定年の時代に65歳受給開始だった年金は、65歳定年なら70歳受給開始、70歳定年になれば75歳受給開始、となるのが非常に現実味のあるシナリオです。
公務員の定年を65歳へと段階的に引き上げるなど、政府はいくつも布石を打ってきたので、あとは受給開始年齢引き上げの判断をするだけという状況です。
末恐ろしいです。
パートも保険料を払うことになるのか
払わなくてはいけない人が100万人単位で増えると試算されております。
厚生年金の適用拡大は、これまで年金保険料を払わなくてよかった人たちが払わされるようになるということです。
すでに2022年10月から従業員数101人以上500人以下の企業が新たに厚生年金の適用となりましたが、2024年10月からは51人以上の企業に拡大されます。そして、なんとこの51人以上という条件も撤廃し、会社の規模に関係なく、週20時間以上働くパートに対して適用拡大するという案もある。それで新たに保険料を払う必要が出てくる人は約125万人とされます。さらには賃金が月額8万8000円以上という要件も撤廃するのではないかという話もある。そうなれば被保険者は約325万人増えるとされています。
そう、だから「社会保険料は税金より高い」ということが言われておりますが、本当です。
では。