犯罪行為で得た所得に税金はかかる
こんにちは、税理士の的場です。
今日は節分ですね。 無病息災を願って「豆まき」、商売繁盛を願って「恵方巻き」といった習わしが全国で行われています。
わたしは、全集中で豆まきをして、恵方巻きを食べます。
先日、テレビで所得税約4000万円を脱税したとして、名古屋国税局は所得税法違反容疑で、「頂き女子」と称していた被告Wを名古屋地検に告発したというニュースを耳にしました。
では、犯罪行為などを行ったことにより得た収入は、税務上ではどのような取扱いになるのでしょうか。
実際には、確定申告を行うような納税意識の高すぎる犯罪者はいないでしょうし、何より申告することにより犯罪行為が露呈する可能性を考えると、犯罪者の犯罪にかかる確定申告はこの世に存在しないでしょうね。
所得税基本通達では
「通達」とは国税庁長官または国税局長が、下部機関や職員に対して発する職務上の命令なのです。
つまり国民に定められているルールではないのです。 言い換えれば税務職員として守るべき解釈及びルールで、本来は法源ではありません。とういうのが通達のスタンスです。
では、その通達ですが、所得税基本通達36-1で、「法第1項に規定する『収入金額とすべき金額』又は『総収入に算入すべき金額』は、その収入の起因となった行為が適法であるかどうかを問わない。」とされています。
つまり、所得税の基礎となる収入は、その基因となった行為の適法性は問わないとされています。
過去の所得税基本通達148では、「窃盗、強盗又は横領により取得した財物については所得税を課さない」としておりましたが、課税所得の考え方の進展にともない、その収入の基因となる行為に関して、その権利確定の有無を問わないこととなりました。
所得の区分はなにか
その犯罪行為などを行ったことにより得た収入は一体どのような所得の種類になるのでしょうか。
その犯罪行為を生業としているのであれば、事業所得に該当し、一時的な犯罪行為であれば、雑所得に該当すると考えられます。
生業となる犯罪行為とは、たとえば常習的な振り込め詐欺犯や窃盗犯などが考えられます。とはいえ、所得税の各種特典を受けるために、所得税の青色申告承認申請書を提出することはないでしょう。
「頂き女子」の場合は、生業としていたので、事業所得でしょうね。
それでは。