税理士が国税庁から提出を求められる関与先名簿とは
こんにちは、税理士の的場です。
まだまだ確定申告事務に余裕がありますので、飛び込みで来られた方の対応は断らずにやっております。3月にもなりますと、そんなことも言ってられないでしょうね。
税理士には毎年、税務署から「関与先名簿の提出のお願い」というものが届きます。
もちろんわたしも、杉並税務署から「関与先名簿等の提出について」の依頼文書が届きました。法律で定められた制度ではありませんが、税務署は毎年、これらの書類の提出を税理士に依頼しています。記載要領には、「前年4月1日から本年3月31日までの1年間に関与した全ての納税者について作成してください。」とあります。また、関与先名簿には、件数、住所・氏名、関与開始年月日、関与の度合いなどを記載します。
国税庁の任務
国税庁の任務は、財務省設置法第19条において、「内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現」、「酒類業の健全な発達」及び「税理士業務の適正な運営の確保」を図ることとされています。
そして、「税理士業務の適正な運営の確保」を図るために、国税庁(国税局及び税務署を含む。)は、税理士及び税理士法人に対する指導監督を行います。その一つが、「税理士法違反行為の未然防止と違反者への厳正な対処」です。
懲戒処分等の状況
国税庁ホームページによると、税理士等に対する懲戒処分等件数は、次のとおりです。
年度 平成30 令和元 令和2 令和3 令和4
件数 51 43 22 21 13
処分された税理士の氏名や内容は、国税庁ホームページに公開されています。
https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/chokai/shobun/list.htm
処分内容を眺めていると、感覚として多いのは、名義貸しと事実に反する申告書の作成です。名義貸しとは、税理士ではない者が申告書等を作成し、税理士が何ら確認せずに署名押印する行為です。
にせ税理士
皆さまが申告書作成を依頼している相手は、本当に税理士でしょうか?
税理士本人にお会いしましたか?
事務所を訪問されましたか?
また、税理士でしたら、通常、契約書を交わします。
是非とも、日本税理士会連合会のホームページで、「税理士を探す」をご確認ください。名前がなければ税理士ではありません。https://www.zeirishikensaku.jp/
税理士の資格を持たずに顧客の要請に応じる「にせ税理士」には、元税理士事務所事務員、元商工会議所(商工会)事務員、何らかの理由で税理士登録できない者などがいます。巷には、一定数いるようで、毎年、何人も逮捕されています。いろいろな人と話していると、周辺にも怪しいな…という人がいます。
にせ者ですから、料金は安いです。当然ですが、彼らは、何か問題があっても責任を取ってくれません。「安物買いの銭失い」とならないようにしてくださいね。
それではまた。