Chat GPTの支払いをした場合の消費税の取扱いについて
こんにちは、税理士の的場です。
Chat GPTの支払いをした場合の消費税の取扱いについてご質問がありました。
「そもそも海外でしょ?」ってご質問がありましたが、Chat GPTの様な国外から行われるサービスについては、電気通信利用役務の提供(インターネット等を介して、国内の事業者・消費者に対して行われる電子書籍・広告の配信等のサービスの提供)に該当し、消費税が課税されることとなりました。
この電気通信利用役務の提供の国内か国外の判定は、そのサービスを受ける人の住所とか居所が国内にあるか否かで判定されます。つまり、日本国内の人がChat GPTを利用してその利用料金を支払った場合は、消費税の課税取引になるります。
消費税の課税要件
消費税は、「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等および外国貨物の引取り(輸入取引)」に対して課することとされています。特に、「国内において」という要件ですが、本件の様な取引は、電子通信役務の提供に該当します。
平成27年10月1日以後、こうしたChat GPTの様な国外から行われるサービスについても、消費税が課税されることとされました。
事業者向け電気通信利用役務の提供か、消費者向け電気通信利用役務の提供か
事業者向け電気通信利用役務の提供に該当する場合、「リバースチャージ」と呼ばれる、当該役務の提供を受けた国内事業者が、「特定課税仕入れ」として、申告納税を行います。
一方で、消費者向け電気通信役務の提供に該当する場合、役務の提供を行った事業者が申告納税を行うこととなりますが、国内事業者が国外事業者から消費者向け電気通信利用役務の提供を受けた場合、当分の間、当該役務の提供に係る仕入税額控除を制限することとされています。
Chat GPTの利用料については、特に契約書で事業目的に縛る等はされていないことから、消費者向け電気通信利用役務の提供に該当します。
具体的な消費税の取扱い
2023年10月1日より、インボイス制度が開始します。インボイス制度導入により、登録国外事業者制度は廃止されます。
2023年9月1日時点で登録国外事業者だった者については、適格請求書発行事業者の登録を受けたものとみなされます。
Open AIは登録国外事業者には登録していないことから、このまま登録をせず、かつインボイスの登録事業者にもならない場合、2023年10月1日以降に支払う利用料も消費税の仕入税額控除対象となりません。
実は、Open AI JAPAN合同会社がインボイス登録してました(いつの間に)
インボイスには少額特例というものがあります。インボイス制度開始から6年間は特例措置が設けられていて、中小事業者が支払う税込1万円未満の経費については、インボイスの保存がなくても帳簿の保存のみで消費税の仕入税額控除が出来ることとなります。
それではまた。