給与の経理処理(仕訳)について
こんにちは、税理士の的場です。
給与の経理処理について大学で講義をしました。
とっても簿記の授業の一環としてですが。
実は学問上と実務上(おその多くが)で処理方法が違うものがいくつかあります。
その中でも、給与の経理処理についてその代表例とも言えるかもしれません。
社会保険料や源泉所得税の天引きなどもあり、面倒な仕訳の代表例となっています。
仕訳の方法はいくつかあり、書籍やネットの記事でも様々あるかと思います。
預り金を使うか否か
社会保険料は、個人負担分を給与から天引きして、会社負担分とまとめて会社が納付します。
そのため、給与の仕訳では、一旦「預り金」の勘定に計上し、会社が納付するときに、次のような仕訳を入れます。
法定福利費(会社負担分)○○ / 普通預金 ○○(納付金額)
預り金(個人負担分) ○○
場合によっては、健康保険料部分と厚生年金部分を分けて預り金管理する方法もあったりします。
もちろん正しい処理ですが、色々と面倒です。
(大学の講義では預り金として処理する方法で教えてます)
ではどうするか。
給与の仕訳の際に、控除する健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料の合計を、法定福利費とします。
法定福利費が右側(貸方)にきます。
そして、会社が納付する際に、全額を法定福利費として左側(借方)に処理します。
これで差し引きすると、法定福利費の金額は、「全額-個人負担分」となります。
会社負担分のみが会社の経費として正しく計上されることになるわけです。
毎月の給与の仕訳は、例えば次のような形になります。
役員報酬 ○○○ 普通預金 ○○○
給与手当 ○○○ 法定福利費 ○○○
旅費交通費 ○○○ 預り金(源泉所得税)○○○
預り金(住民税) ○○○
それではまた。