税務署から届く「年末調整等関係書類在中」

こんにちは、税理士の的場です。

この時期になると、税務署から「年末調整等関係書類在中」というA4判封筒が届きます。
昔に比べると随分薄いです。
(昔は「年末調整のやり方」という雑誌みたいなものが入っておりました…)

最近は、税務署も税務行政のDX化というやつで、電子化を推奨してますから、そういう紙の雑誌は廃止してます。

ではその「年末調子の電子化」とはどういうものか。

年末調整の電子化とは

 これまで年末調整の電子化は任意でしたが、令和3年1月提出分の年末調整から電子申告の義務化が適用されています。

では「年末調整の電子化」とは何か。

従業員の保険料控除や住宅ローン控除に必要となる書面をデータで受け取ることが可能となり、書面での保管などが不要です。

従業員の方は、申告書への記入や控除額の計算といった手間のかかる作業も不要となります。
電子化された申告書データは、オンライン上で保管しておくことができるため、従来の書面での申請にかかる膨大な作業も入力ミスも大幅に削減することができます。

電子化できる書類とは

保険会社などの発行事業者から電子データで発行してもらうことで、控除証明書も電子データで提出することが可能です。
(従業員自身が発行事業者に電子発行を依頼する必要があります。)

電子化できる書類は以下のとおりです。

・公的年金等の受給者の扶養親族等申告書
・給与所得者の扶養控除等申告書
・従たる給与についての扶養控除等申告書
・給与所得者の配偶者控除等申告書
・給与所得者の基礎控除申告書
・給与所得者の保険料控除申告書
・給与所得者の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除申告書
・所得金額調整控除申告書
・退職所得の受給に関する申告書

 令和3年始まっている法定調書の電子申請の対象者

令和3年1月の申告分から、法定調書(年末調整)の電子化が義務づけられています。

対象となる企業は、前々年度(2年前)に発行した法定調書が種類ごとにみて100枚以上である企業です。
電子化の対象となった場合、e-Taxまたは光ディスク等で申告しなければなりません。

令和9年からは、さらに電子化が義務化される企業の範囲が広くなります。

法定調書の種類ごとに100枚以上になる企業が対象でしたが、この枚数が30枚に下げられます。
より小規模の企業も電子化が義務化されるため、現在は義務化の対象外である企業も含まれる可能性が出てきます。

義務化されているのは

年末調整には、大まかに以下のフローがあります。

  1. 対象者をリストアップする
  2. 申告書の配布・回収する
  3. 不備がないか確認する
  4. 回収した申告書をもとに、正確な課税額や源泉徴収税額を計算する
  5. 源泉徴収票を作成する
  6. 法定調書、給与支払報告書を作成・提出する

条件によって電子化が義務付けられているのは、6番の「法定調書を提出する」部分のみです。

対象者のリストアップや書類の不備、全従業員の給与情報を元にした計算など、電子化することで業務負担を軽減できる箇所は多数ありますね。

それではまた。