印紙税の実務

印紙税の課税文書と税額

印紙税法では、「課税文書の作成者は、その作成した課税文書につき、印紙税を納める義務がある」と定められています。
従って、会社で印紙税の課税文書を作成した場合は、その内容に応じて印紙税を納付する経理実務があります。

印紙税の課税文書は全部で20種類に区分されています。
このうち事業会社の実務をするうえで知っておきたいものは以下のとおりです。

No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7140.htm

印紙税の納付

印紙税は原則として収入印紙を購入して課税文書に貼付し、再使用防止のために消印を行う方法(署名でも可能)で納付します。

そして、印紙税の納税義務者は誰かということです。
原則として文書を作成した者、または、共同で作成した者すべてとされています。
この義務は、原則としてその文書がオリジナルであるかコピーであるかを問いません。

印紙税法では、課税文書を共同で作成した場合、契約当事者双方が連帯して印紙税を納める義務があると定められています。

しかし、実務上、契約書を2部作成し、当事者双方が署名・押印して各自が原本として1部ずつ保管する場合、「それぞれが自己の保管する原本に貼るべき印紙代を負担する」のが一般的な慣習です。つまり、相手が保管する原本は、相手方が印紙を用意し、貼付・消印をするということです。(勘違いをされている方も多いです)

事前に所轄税務署長の承認を受け、その月に作成した課税文書に係る印紙税額を記載した「印紙税納税申告書」を翌月末までに税務署へ提出し、あわせて納税する方法などもあります。

印税税に関するペナルティ

課税文書への印紙税貼付漏れまたは消印漏れがあると、本来の印紙税とその2倍に相当する金額(当初の印紙税額の3倍)の過怠税が課されることがあります。

また、会社が税務署長へ自主的に申出を行うと、本来の印紙税とその10%に相当する金額(当初の印紙税額の1.1倍)の過怠税が課されるケースもあります。