2割特例は令和8年9月30日まで
写真は11月の青森の海です。
海の近くのお客様のところに決算説明に来た時の写真です。

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そもそも2割特例とは
2割特例とは、インボイス制度を機に免税事業者から課税事業者になった方を対象とした税負担の軽減措置です。
通常、消費税の計算は複雑ですが、この特例を使えば「売上にかかる消費税額の20%」を納めるだけで済みます。簡易課税税度の第二種事業者と同じ考え方になります。
事前の届出も不要で、確定申告時にチェックを入れるだけで適用できるのが大きなメリットです。
納税額を大幅に抑えられる可能性があるため、対象となる方は必ずチェックしておきたい制度です。
2割特例もそろそろ終了
日本商工会議所が9月9日に公表した「中小企業におけるインボイス制度等に関する実態調査」結果によると、インボイス制度導入を機に、免税事業者(BtoB中心)の78.6%がインボイス発行事業者登録を行っており、前年度(73.3%)から増加したことが明らかになった。
インボイス登録を行っていない免税事業者のうち、BtoB中心の事業者の50.8%が将来的なインボイス登録を検討するとしている一方、BtoC中心の事業者の72.7%は今後も申請を行わない意向を示している。
そりゃそうだろう。
課税転換(インボイス登録)した事業者の68.6%が2割特例を適用しており、このうち92.0%が「スムーズに消費税申告できた」と回答している。
免税事業者から仕入等を行う本則課税事業者は43.7%となっており、このうち57.6%は仕入額が100万円以上であった。ただし、今後、取引価格や仕入先の見直しを行うと回答した事業者は42.3%にのぼっており、留意すべき点です。
2割特例もそろそろ終了する
2割特例は令和8年9月30日までの時限措置です。
令和8年年9月30日を含む課税期間までとなります。個人事業主と12月決算法人なら令和8年12月31日まで、3月決算法人なら令和9年年3月31日までとなります。(勘違いが続出しておりますので注意して)
現段階で延長の発表はなく、個人事業主なら令和8年分の申告がラストチャンスとなる見通しです。
特例終了後は、簡易課税など別の計算方法へ移行する必要があるため、早めにシミュレーションを行い、どの課税方式が自分に有利か検討しておくことが大切です。
本来、簡易課税制度選択届出書は、簡易課税で計算したい課税期間の初日の前日までに提出すべきものです。しかし消費税の手続きそのものに慣れていない小規模事業者なら、税制をよくわかっていないがためにすぐに判断できなかったり、手続きそのものが遅くなってしまったりするおそれがあります。
2割特例を受けていた事業者が、特例終了に合わせて簡易課税へスムーズに移行できるよう、以下のような柔軟なルールが設けられています。
2割特例を適用した申告期間中であれば、その申告期限(確定申告の日)までに届出書を提出すれば、その申告期間から簡易課税を適用できます。
つまり、令和8年分の確定申告(令和9年3月15日まで)を行う際に、「来年(令和9年分)からは簡易課税にします」という届出を同時に出せば間に合う仕組みになっています。
そこで特例として「2割特例が終了した(=前課税期間まで2割特例を受けていた)課税期間中に「現在の課税期間から簡易課税の適用を受ける」旨を記載した簡易課税制度選択届出書を提出していれば、提出日の属する課税期間から簡易課税を適用できる」とされたのです。

