源泉徴収票をPDFで渡してもOKなのか

年末調整の報告後に必ずある質問です。
源泉徴収票は基本紙でお渡しするものでしょうか?

※源泉徴収票をPDFで渡してもOKなのか by iPhone 17 Pro Max

源泉徴収票はPDFで渡してもいいの?

年末調整後、顧問先のお客様から「源泉徴収票や給与明細を紙で配るのが負担なので、PDFで渡したいのですが問題ないですか?」というご質問をいただきました。
結論から申し上げますと、源泉徴収票の電子交付は法律で認められています。

かつては「紙での交付」が原則でしたが、現在はe-Taxの普及もあり、デジタルデータでの受け渡しが一般的になっています。
ただし、何の手続きもなく勝手に切り替えて良いわけではありません。

これまでは従業員一人ひとりから「電子データで受け取ります」という事前の同意書をもらう必要があり、この事務作業が導入のハードルとなっていました。
しかし、令和5年度の税制改正により、この手続きが大幅に簡略化されたのをご存知でしょうか。

手続きが楽に!「オプトアウト方式」による同意の取得

令和5年4月から導入されたのが、「承諾みなし規定(オプトアウト方式)」です。
これにより、会社側が「○月○日までに異議がなければ、PDF配布に切り替えます」と事前に通知し、期限までに回答がなかった従業員については、電子交付に同意したものとみなせるようになりました。

これまでは「全員分の同意書を回収するまで運用を始められない」という悩みがありましたが、この改正によって導入のスピード感が一気に増しました。
ただし、スマホを持っていない、あるいは操作が苦手といった理由で「紙で欲しい」と回答した従業員に対しては、引き続き紙で交付する義務があります。

この「拒否する権利」を担保しつつ、効率的に電子化を進められるのがこの制度のポイントです。

電子化を進める際の注意点と実務のポイント

源泉徴収票をPDFで渡す際には、セキュリティ対策が不可欠です。
メールに直接添付して送る方法は、誤送信による情報漏えいのリスクがあるため、パスワード付きのファイルにするか、クラウド給与ソフトなどの専用マイページからダウンロードしてもらう形式が推奨されます。

また、住宅ローンの審査などで「どうしても紙の原本が必要」と従業員から求められた場合は、電子交付に同意していても、速やかに紙で再発行してあげる柔軟な対応も求められます。

給与明細や源泉徴収票の電子化は、ペーパーレス化だけでなく、再発行の手間削減やコストダウンにも直結します。
今回の「オプトアウト方式」を活用し、スムーズなデジタル移行を検討してみてはいかがでしょうか。

具体的な通知文の作り方やシステムの選定など、気になることがあればお気軽に当事務所までご相談ください。