ついに12月から始まる、インボイス制度適用開始後の初の消費税申告

 こんにちは、税理士の的場です。
 今年もあと一週間、税理士業の場合ですと仕事を納めることはできませんが、寒さと忙しさに負けずに頑張っていきます。
 さて、税制改正大綱も読み込んでおりますが、先ずは12月申告のインボイス制度適用開始後初の消費税申告です。
 10月1日開始のインボイス制度ですが、開始後の申告は12月から始まります。
 これに合わせて、法人用の消費税申告書の書き方(一般用と簡易課税用)が公表されております。

法人用の消費税申告書の書き方

・法人用 消費税及び地方消費税の申告書(一般用)の書き方(令和5年11月)(PDF/7,796KB)

・法人用 消費税及び地方消費税の申告書(簡易課税用)の書き方(令和5年11月)(PDF/5,209KB)

 一般用については、付表2-3(課税売上割合・控除対象仕入税額の計算表)の⑪と⑫欄が追加されておりますね。ここは、経過措置(2023年10月1日~2026年9月30日までは仕入税額相当額の80%)適用分の記載欄になっているようです。この⑪と⑫欄が、従来と大きく違う点といえるでしょう。

制度開始後の積み上げ計算について

 消費税の計算方法は2種類あります。消費税額の納税額は、売上に対する消費税額から仕入に対する消費税額を控除して計算をします。すなわち、以下の計算式で算出します。
計算式:売上に対する消費税額-仕入に対する消費税額=納付する消費税額
 「売上に対する消費税額」と「仕入に対する消費税額」の計算方法には、それぞれ「割り戻し計算方式」と「積み上げ計算方式」の2種類あります。
 「割り戻し計算方式」とは、課税期間の税込課税売上(仕入)高を税率ごとに集計したものに消費税率を乗じて計算した金額により、「売上に対する消費税額」と「仕入に対する消費税額」を計算します。
 「積み上げ計算方式」とは、請求書に記載された消費税額を一つ一つ足して積み上げたものを「売上に対する消費税額」と「仕入に対する消費税額」とするものです。
 インボイス制度開始後に積み上げ計算を行う場合の申告書作成の手引きも掲載されております。ここでは、売上税額と仕入税額ともに積み上げ計算のケースですね。売上税額について積み上げ計算を選択した場合には、当然、仕入税額も積み上げ計算しか適用できません。
 税額計算の選択についても、上記の消費税申告書の書き方に記載されておりますので、確認をしていきたいところです。