朝三暮四

こんにちは、税理士の的場です。
久しぶりに税理士らしい投稿です。
令和7年度税制改正についてです。
103万円の壁の引き上げのほか、一部の所得控除で少子化対策が講じられました。
その1つが生命保険料控除の子育て枠です。
新生命保険料の一般枠の限度額は現在は4万円となっています。
もし、その年の年末時点で23歳未満の扶養親族を有しているならば…
遺族保障の一般枠について、限度額がプラス2万円となった。
つまり、新生命保険料の一般枠の控除枠は最大6万円となるわけです。
これだけだと、得しているかのようには見える。
立案者側からすれば「これぞ少子化対策だ〜」と言いたいのかもしれませんが…。
23歳未満の子を育てている者からすれば、課題も見えてくるわけです。
その一つは、全体の上限額が変わらないためです。
「プラス2万円になる」というのは、あくまでも新生命保険料の一般枠の部分に過ぎません。
全体の控除限度額である12万円という枠は何ら変わらない。(嘘でしょ…)
朝三暮四もいいところです。
二つ目は、この生命保険料の子育て対策は1年限りの時限措置であるためです。
本気で子育て対策をするなら一定期間あるいは恒久的な措置とするはずです。
1年限りならば効果は薄いですし、見せかけと言われてもしょうがない。
三つ目は、高校生を扶養する世帯の節税になりません。
高校生のいる扶養世帯の多くは40代から50代です。
この平均給与年収は400~500万円であり、適用税率は10%です。
2万円の控除ならば所得税ベースで2千円の節税ですが、これをありがたがる親がどれだけいるでしょうか。
「こんな気休め控除はいらない。扶養控除を手厚くしてほしい」というのが子育て世帯の本音だと思われます。
住宅ローン控除の改正も含め、政府の子育て支援策はどこかピント外れ。
本気で子育て支援を考えるなら、年少扶養控除の復活や保育環境の充実などを行ってほしいです。
安心して子を産んで育てられる日本にしなくてはならない。
と思いました。
写真というか落書きは、目つきの悪い、税理士会広報キャラクター「にちぜいくん」です…
それではまた。