切手に消費税はかかるのか

切手の消費税、原則は「購入時非課税・使用時課税」
切手の消費税を理解する上で、まず押さえるべき大原則は「購入時は非課税、使用時に課税」という考え方です。なぜ購入した瞬間に消費税がかからないのか、疑問に思う方も多いかもしれません。その理由は、消費税の二重課税を防ぐためです。
法律上、切手は「郵便切手類」という「物品切手等」に分類されます。これは商品券などと同じく、将来サービスを受けるための「権利」を前払いしている状態とみなされます。つまり、購入時点ではまだ郵便サービスという役務の提供を受けていないため、消費税の課税対象とならない「非課税取引」として扱われるのです。
原則的な経理処理では、購入時は「貯蔵品」として資産計上し、実際にポストへ投函した瞬間に「通信費」へ振り替え、そのタイミングで初めて消費税(課税仕入れ)を認識します。
しかし、この方法では切手1枚使うたびに仕訳が必要になり、事務負担が膨大になるという欠点があります。
実務的には「購入時課税」の特例
原則通りの処理は正確ですが、実務ではあまりに煩雑です。そこで多くの企業が採用しているのが、国税庁も認めている「購入時に経費として落とし、同時に課税仕入れとする」という特例処理です。
消費税法基本通達11-3-7では、事業者が自ら使用する切手について、継続して購入日の属する課税期間の課税仕入れとして処理している場合には、その処理を認めると明記されています。この特例を利用すれば、購入時に「通信費」として一括で仕訳を行い、その時点で消費税の仕入税額控除を受けることが可能です。
この方法のメリットは、事務負担の軽減だけではありません。使用時の仕訳漏れによる控除忘れを防げるため、確実に節税効果を享受できるという利点もあります。特段の事情がない限り、この簡便的な方法を選択するのが最も合理的といえるでしょう。
ただし、期末に大量の未使用切手がある場合などは注意が必要ですので、運用の際は一度ご相談ください。
「どこで買うか」で税金の扱いが変わる
切手の消費税で最も見落としやすいのが、購入場所による扱いの違いです。実は「購入時非課税」というルールは、場所を選ばず適用されるわけではありません。
郵便局や「郵便切手類販売所」の標識があるコンビニなどで購入する場合は、前述の通り非課税取引となります。これは、これら窓口が公式なインフラとして「サービスの前受け」を担っているからです。一方で、金券ショップやフリマアプリ等で購入した場合は扱いが正反対になります。
金券ショップ等は法律上の販売所ではないため、そこでの切手売買は単なる「商品の転売」とみなされます。そのため、金券ショップで購入した切手は、買った瞬間に消費税が含まれている「課税仕入れ」として処理しなければなりません。
この場合、使用時まで課税を待つという原則処理を適用するのは誤りです。どこで購入したかによって会計処理の根拠が変わるため、レシートや領収書は必ず保管し、購入先を確認する習慣をつけましょう。

